井戸尻考古館の独自の取り組み 「異端」ではなく「王道」

 　井戸尻考古館の考古学は、従来の「事実中心」の考古学とは一線を画し、縄文人の精神文化や彼らの世界観に深く寄り添う「縄文図像学的・象徴的アプローチ」が特徴です。井戸尻考古館の考古学は独創的で非常に、ユニークです。補足①で訂正したように、「井戸尻文化圏」、「勝坂式文化圏」を「富士眉月弧文化圏」と「月」と結びつけた特徴的な呼び名を付けたのは、井戸尻考古館の方々のようです。

　井戸尻考古館の考古学的特徴は、まず「縄文図像学」の探究にあります。この考え方は、縄文土器の特徴的な文様を単なる装飾ではなく、「意味がある図像」として考え、縄文人の精神文化と神話的世界観を読み解こうとします。例えば、縄文土器の蛙の文様は、「月の満ち欠け」と「死と再生」の象徴とされ、月神話の考古学として研究されています。

　月🌕と再生の神話的視点は、ヒキガエル（蟾蜍）は月の象徴という説を展開します。月のクレーターがヒキガエルのイボに見えるという縄文人の視覚的感覚に着目しました。月の満ち欠けを人間の「死と再生のサイクル（循環）」と捉え、縄文土器のその思想が込められていると考察します。

　さらに、縄文農耕論を石器などを使用して、実際に実践しました。そこから、「原始的農耕文化」が存在したことを認めています。

　館長たちは「異端児」と呼ばれることを好まず、「私たちが王道」と語るほど、自信と誇りを持って独自の研究を貫いています。